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茅舎石について

茅舎石について

茅舎石と書いて、「くずやいし」と読みます。

「くずや」とは草葺(くさぶき)や茅ぶきの家の意味であり、普通は「葛屋」の字が当てられますが、水石では茅舎の字が当てられます。

茅舎は、普通に読むと「ぼうしゃ」ですが、これもかやぶきの家の意味です。 このため、水石ではくずやいしに茅葺石という字を当てる場合もあります。

いずれの呼び方をしてもイメージとしてはどれも同じで、ひっそりとたたずむ草庵や侘しい古屋です。

この茅舎を連想させる石を茅舎石と呼び、水石の一分野となります。 実際に見たことはなくともなぜか懐かしさを感じる田舎の景色や、日本独特の風土を連想させることから、哀愁や望郷の念を抱かせる水石として人気があります。

茅舎石
茅舎石

水石の収集家の中でも、この茅舎石だけを熱心に集める方もいらっしゃいます。

茅舎石はほかの水石とは異なり比較的小さめの手のひらサイズが好まれます。 これはあまり大きいと飾った際に存在感があり過ぎ、田舎の侘しい雰囲気がでないためでしょう。

また、屋根に対し底に「受け」と呼ばれる受け皿状の形があるものがよいとされます。

茅舎石

こちらの茅舎石は、屋根に対する受けもあり、とてもよい形なのですが、残念ながら手が加えられているようです。 これで自然であれば言うことなしだったのですが、残念です。

また以下の写真は裏面ですが、真ん中の辺りがスパッと切ったような形にえぐれています。

茅舎石

若干不自然な感じはしますが、どうもこれは自然にできたようで、その奥にある白い部分が石灰質であったことから、石灰質が溶けてこのような形にえぐれたようです。

この茅舎石がどこの産地の石か突き止められていないのですが、非常に硬質で重く、さらに石灰質の貫入があるところから、安倍川石の類いではないかと考えています。

あぁ、人の手が加えられていない自然の茅舎石。いつか欲しいところです。

茅舎



 

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