若桜三倉石-I, Wakasa Mikura Ishi
若桜三倉石-I
若桜三倉石は、鳥取県南東端の八頭群若桜町から南西、三倉地域の険しい山間部を流れる小川、三倉川から産する石である。
若桜三倉石の魅力は何といっても山石ならではの棘上の突起であり、川擦れしていない山石の方に圧倒的な人気がある。
一方で、山石を揚石できるのは、幅2~3mしかない急峻な山を下り落ちる小川沿いにおいて、僅かに露出している石を掘り起こす程度にしか見つけることができないという。 川から離れて山中に入っても若桜三倉石は見当たらず、従って探石できる範囲が極めて狭いこともあり、完全に枯渇している様子である。
若桜三倉石の特徴は、鶯色と、荒々しい石肌、そして変成作用による形姿の変化という。
若桜三倉石
この若桜三倉石の山石は、地元の愛石家が枯渇した産地から7年ぶりに登山し何とか授かった一石という。
大きさはないが、若桜三倉石の紛れもない山石として、貴重な石である。
若桜三倉石
この石は、京都の河合香艸園さんのところに数石あった若桜三倉石のうちの一石。
全体としては単純な形姿であるが、よく見ると変成作用による複雑な形が見られる。 一方で佐治川石と非常によく似ており、店主も最初は佐治川石かな?と仰っていたくらいであるし、 佐治川石と若桜三倉石を並べた場合に、的確にいずれかを言い当てるのは困難と思われる。
台座は龍石氏によるもの。 龍石氏の台座と思われる似たような若桜三倉石が数石、河合香艸園さんのところにあったことから、まとめて仕入れられたものかと推察している。