色彩石-II
色彩石-II
水石の一分野に、「色彩石」があります。色彩石とはその名のとおり色彩のある石のことであり、日本全国様々な地域から産出されますが、そのほとんどが碧玉(ジャスパー)となります。
色彩石-Iでは碧玉ばかりの紹介となってしまいましたが、色彩石-IIでは碧玉以外についても触れたいと思います。
なお、色彩石は水石の一分野とはいいつつ、ただ綺麗な石を飾るだけでは?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
水石では石を水盤や台座に置いて、床の間に飾る「水石飾り」がありますが、そうそうそういった機会は最近はないのではないかと思います。 そもそも床の間が家にないなんてことも普通ですし。
色彩石の場合、形をどうこういうこともなく、紋様が何かにみえることはあるにせよ、何かに「見立て」ることがありません。
そのため、色の華やかさが目立つこともあいまって水石らしい詫び寂びが感じにくいのかもしれないと思います。
赤い土岐石
こちらの石は赤い土岐石、地元では赤碧と呼ばれるウッディジャスパー(樹木由来の碧玉)です。
このように色彩石は何かに見立てるというよりも、その色彩、模様を愉しむことから台座に飾られることがほとんどです。
土岐石の紋石
続いて、お約束どおり碧玉以外の石のご紹介です。
こちらの石は土岐石の紋石と呼ばれる石です。
根尾の桜石と非常によく似た石ですが、根尾の桜石同様、どういった鉱物なのかよくわかっていない石です。
一説によるとその硬さから碧玉ではないかといわれますが、
個人的には光にキラキラ反射するのと、貝殻状断口を示さないことから碧玉ではないと考えています。
土岐石の紋石
次の石も土岐石の紋石です。 庄内川水系から産したものです。
桜の花びらのような模様があるのがわかりますでしょうか? その桜の花びらの模様は、根尾から産する桜石と非常によく似ており、個人的にはほぼ同じ石と理解しています。
根尾の桜石は土岐石の紋石よりも有名だとは思いますが、
それでも根尾の桜石自体が菊花石とは比べ物にならないほどマイナーな存在であり、どういった鉱物なのかよくわかっていません。
今後、根尾の桜石がもっと有名になり、その謎が明らかになるのを心待ちにしています。