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色彩石-III

佐渡赤玉石

色彩石のなかで最も有名であるといっても過言ではなく、水石としても飾られる石がこちらの佐渡赤玉石(さどあかだまいし)です。

佐渡赤玉石は、新潟県は佐渡島、杉池を源流とする中川の流域、赤玉集落からのみ産出されるもので、鉱物学的には鉄石英と分類されるようです。 酸化鉄を不純物として含む石英の微細な粒子の緻密な集合とされ、おそらく火山活動による熱水が鉄分と石英とを取り込みできたと考えられています。

赤い石というのは日本全国から産しますが、佐渡赤玉石の色合いの美しさは秀でており、また硬度も高いことから別格の扱いを受けます。

誰がそう言ったのか定かではありませんが、神戸の本御影石、鳥取の佐治川石と並び、佐渡赤玉石は「三大銘石」に数えられることがあります。

以下の写真は佐渡赤玉石の一例に過ぎませんが、鮮やかな朱色に、緻密な様相が見て取れると思います。

佐渡赤玉石

佐渡赤玉石

佐渡赤玉石

佐渡赤玉石

続いて、別の佐渡赤玉石ですが少し特徴的なものです。

佐渡赤玉石
佐渡赤玉石‐未分類石

佐渡赤玉石‐未分類石

まず、全体が層状になっています。 写真では少し見づらいですが、全体が層状でまるで堆積岩のようです。

佐渡赤玉石は、鉱物学的には鉄石英と分類され、 酸化鉄を不純物として含む石英の微細な粒子の緻密な集合といわれます。

火山活動による熱水が鉄分と石英とを取り込みできたと考えられていますが、 これを見ると一気に出来上がったというよりは、ある程度時間を掛けて堆積して出来上がったように思えます。

佐渡赤玉石‐未分類石

続いて特徴的なのが、頂上付近の風化してできたような形状です。 ここでもよく見ると層状になっていたのがよく分かります。

色彩石は色が邪魔をして情景を想像するのに邪魔になるといいますが、この石の場合は朱色がかえって特徴的で何とも言えない雰囲気を漂わせています。

佐渡赤玉石‐未分類石

最後にこの写真は底の部分ですが、肌合いが糸掛(糸巻)のようになっていて、光の角度によってキラキラッ、キラキラッと極小の瞬きを見ることができます。

よほど珪酸分が豊富だったと想像できますが、このような糸掛(糸巻)がみられる佐渡赤玉石もあります。

なお、糸掛(糸巻)とは、石面を石英の筋が不規則に縦横に走り盛り上がた状態をいいます。

津軽錦石

続いて、同じく色彩石としてとても有名な津軽錦石についてご紹介したいと思います。

青森は津軽地方からは碧玉をはじめ数々の銘石が産し、それらをまとめて津軽錦石と称しますが、そのなかでも色の混ざり具合がよく概ね三色以上が混ざり、他の地域で五色石と呼ばれるものを特に「錦石」と呼ぶそうです。

(津軽)錦石

こちらの碧玉は、赤と黄色の混じり具合がよく、一点の緑がみられることから、三色が混じっていると言えなくもなく、「錦石」と称したいところですが、やはり緑色の部分が小さすぎる気もします。

(津軽)錦石

とはいえ、燃え上がる黄色い炎のような模様が美しく、こういった色の混ざり具合は碧玉ならではの特徴です。

個人的な意見ですが、青森から産する火山性の碧玉には緑色のものが少なく、おそらく緑色の原因である銅が、火山活動によって硫化銅として黒っぽくなってしまうことがその原因ではないかと考えています。

謎の庄内川石

最後に紹介するこちらの石は本邦初公開?と個人的に考えている石です。

こちらの石は庄内川水系で見つけた石となりますが、碧玉なのか瑪瑙なのか、はなたまたチャートなのかよくわかっていません。

透明感があるところからすると、非常に質の高いチャートか瑪瑙かもしれません。

謎の石-桜

この石の素晴らしいところは、淡い桜色という珍しさと美しさ、半透明の個所から浮き上がる薄桜色がまるで満開に咲き誇る桜にようにみえるところです。

角度を変えて立てても見立てることができます:

謎の石-桜

私は幾度となく庄内川水系の石を眺めてきましたが、このような満開の桜を髣髴とさせる石はこの一石しか知りません。

ですので、何らかの要因によりたまたま生成された例外的な石なんだろうと思います。

こういった石が生まれたこと自体、自然の奇跡だと思いますので、まさに天工の妙に驚愕するところであります。



 

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