八海山石-I, Hakkaisan Seki
八海山石-I
八海山石を紹介します。 八海山石は、八海石と呼ばれたりもしますが、八海山の山麓を流れる水無川、その先で注ぎ込む魚野川周辺から産する石です。それは素晴らしい石です。
個人的な話ですが、私が水石にのめり込むようになったのは、神居古潭石に続きこの八海山石に出合ったからです。
なにが素晴らしいかというと、何と言ってもその重厚感。
見た目だけでなく普通の石と比べても大きさの割にかなり重く感じます。
碧玉なんかも他の石と比べるとずっしりと重く、その重さが碧玉であることのひとつの見分け方であったりするのですが、 八海山石はもしかすると碧玉より重いと感じます。かなりずっしりきます。
そして岩肌。ジャグレがあります。 しかもそのジャグレが特徴的で、よくスプーンですくったような跡と表現されますが、独特な形のジャグレが多いのも魅力のひとつです。
また、白い条線が入るのも八海山石の特徴といわれます。
さっそく見ていただきましょう:
八海山石 - 水無川産
地元では、八海山石とは「水無川の谷」から産したもののみを八海山石、魚野川から産した石は魚野川石というそうですが、 一般には魚野川から産したものも八海山石と称している場合がほとんどです。
まぁ、水無川は魚野川に注ぐ訳ですから、魚野川から見つかった石も八海山石と称しても嘘ではないと個人的には思います。
ただ、水無川は渓谷と呼んでも差し支えのない急流の個所があり、地元では真の八海山石は、川底か陸堀(おかぼり)の石が多いといいます。
水無川はその名のとおり、乾期には水のない川であることから、川底か陸堀(おかぼり)となるのでしょう。
スプーンでえぐったようなジャグレが分かりますでしょうか?
そしてこの重厚感。
水無川の八海山石には、ラメのような雲母のキラメキがあるのに対し、魚野川まで下った八海山石にはこのラメが剥がれ落ちてしまうため、ラメのあるものが真の八海山石といわれることもあります。
本当は上の写真も肉眼で見るとラメが散りばめられてキラキラするのですが、残念ながら写真ではほとんど写っていません。
こちらは底の写真ですが、この面は肉眼で見ると一面がキラキラしており、その魅力たるや写真にうまく写せないのが悔しくて、悔しくて。
角度を変えて見ると、凛々しくもあります。
擦れた角にはラメはありませんが、硬質な石が摩耗したときにできる艶のあるような岩肌も魅力的です。
八海山石
こちらの石は、八海山石として購入しましたが、その実本当に八海山石か素性は分かりません。
世の中には怪しげな八海山石がそこら中にありますが、それもこれも八海山石に人気があるからに他なりません。
ジャグレは八海山石のようにもみえますが、ラメはありません。
白い条線はあります。
重厚感もありずっしりと重く感じます。
こちらの石が八海山石か否かはっきりしたことは言えませんが、この石は全体的な形と硬質な肌合い、そしてジャグレがよいのでなかなか気に入っています。