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真黒石は黒くない

真黒石は黒くない

水石で黒い石のことを真黒石(まぐろいし)と呼びます。

これはお魚のマグロに掛けた洒落(シャレ)だと思うのですが、その意味は字句のとおり、真っ黒い石のことです。 ですので、「真黒石は黒くない」というと意味をなさないのですが、ここで私が言いたいのは、真黒石は川原では必ずしも黒くないということです。

当初これを知らず、川原で黒い石なんてそうそうない → とにかく真黒石は貴重と思い込んでいたのですが、探石に慣れてコツが分かってくるとそれなりに真黒石を見つけることができると思います。

もちろん川にある石の種類の傾向は、その川、その川によって異なるため、一概には言えないことも事実です。極端に黒い石が少ない川もあります。

ただ最初から川原で真っ黒い石を探そうとすると、なかなか見つけることが困難です。

それは、川原では石の肌が荒れているためです。

硬い石であればあるほど、荒れたところが白っぽくなるため、地の色が黒であれば全体的にボヤっとした灰色。 これが川原での真黒石の色です。

逆に川原で真っ黒い石は他の石に当たって揉まれても肌が荒れない、すなわち柔らかめの石であることが多いことも事実です。

具体例を見てみましょう。

庄内川石
灰黒の石

こちらの石は庄内川石で少し梨地の石ですが、全体的に灰色です。

そして養石とまではいいませんが、出っ張った個所を乾拭きして肌を整えたところは黒いのがお分かりになると思います。 この黒いところがこの石の地の色です。

養石の楽しみは、第一に川原で荒れた石の肌を整えて、その石本来の色に戻すところにあると思います。

灰色だった石の肌が整ってきて、徐々に黒くなる様はなかなかよいものですよ。

探石初心者の方は最初から真っ黒い石を探さない方がよいかもというお話でした。



 

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