なぜ水石は暗い色?
なぜ水石には暗い色の石が好まれるのか
水石では、真黒石が最高といわれますが、真黒石といわずとも、蒼黒、灰黒が望ましく、基本的に暗い色の石が好まれます。
なぜなのか?
まず、明るい色のものは輪郭がぼやけて、何だかしまりのないように見えます。
一方で、輪郭がはっきりすればよいかといって、例えば赤色のように目立ち過ぎる色の場合、風景を観る(想像する)のに邪魔になります。
次の写真をみてください:
形としてはなかなか趣きがあるように思うのですが、赤が目立ち過ぎて何とも情景を想像するに邪魔になるのではないでしょうか?
従って、明るくない色、目立ち過ぎない色ということで、水石には暗い色、黒や蒼黒、灰黒そして深い緑色が好まれることになります。
さらに、個人的にはもうひとつ理由があると考えています。
それは、水石に必要とされる緻密で硬い石としてホルンフェルスが最も相応しい一方、ホルンフェルスに派手な色合いのものが存在しないから。
つまり、ホルンフェルスのような「緻密で硬い」という条件が先にあって、その上で色合いを考えると、自然、真黒 > 蒼黒 > 灰黒という順になるというものです。
真偽のほどはさておき、水石となるホルンフェルスは、石好きにとってほれぼれするような石だと思いますので、機会があればぜひ手に取って触れていただきたいと思います。