只見川石-I, Tadamigawa Ishi
只見川石-I
只見川石は、神居古潭石によく似ると云われるが、当然のことながら只見川石と神居古潭石とは異なる。
確かに黒く時折緑色が入る点、緻密で艶のある点が似ており、写真だけであれば見間違えることもあるだろう。
実際手に取ると、むしろ神居古潭石より硬質ではないかと思わせる石肌である。 爪で弾くと神居古潭よりキンキンと金属質な清音を鳴らす石も多い。
神居古潭石は蛇紋岩系で硬度は5.5と云われるが、硬さと粘りが特徴的である。 一方、只見川石は神居古潭石の硬さをさらに際立たせたように(私は)感じる。
時折石英質の白い貫入が線状や点状に入るのも只見川石の特徴だと思われる。
なお、只見川の支流に伊南川があり、双方水石の産地として名高いが、只見川に伊南川石が入ることもあり、両者を見分けるのは困難である。 粕川石が揖斐川石と称されるように、伊南川石が只見川石と称されることも多いと想像する。
硬質で緻密な石肌。 右端に少し見える白い貫入も只見川石の特徴。