瀬田川石-II, Setagawa Ishi
瀬田川石-II
瀬田川石=Iに続き、瀬田川石の紹介です。瀬田川石によく似た石として、庄内川石がありますが、その比較などをしてみました。
瀬田川石 - 笹真黒
こちらの石は瀬田川石の笹真黒石です。
こちらの石の場合、菫青石が抜けた跡、つまり笹と呼ばれる模様ですが、それが比較的浅く、雰囲気が笹っぽいので笹真黒としました。
拡大すると凹んだ感じが分かりますが、指先でさっとなでるだけでは凹んでいるのかよく分かりません。じっくりなでてようやく凹んでるかなと分かる程度です。
ここで少し趣向を変えて、瀬田川石によく似た石として庄内川石があげられるので比較をしてみました。
庄内川は岐阜から愛知を流れる川、瀬田川は途中宇治川、淀川と名前を変えますが滋賀、京都、大阪を流れる川で両者はおよそ100km離れています。
昔から庄内川石からは瀬田川石によく似た石が見つかるといわれ、特に真黒や虎石が似てるといわれます。
左が庄内川石で、右が瀬田川石です。
ぱっと見、似てると思うかもしれませんが、よく見ると瀬田川石の方が黒が深くしまった感じがします。
石質も、庄内川石の方は瀬田川石に比べ変成度が低いのか、瀬田川石と比べるとザラザラしています。
石質が少しボソボソしてるのが分かるかと思います。
以上、庄内川石と瀬田川石の比較でしたが、当然のことながら、ここで挙げたのは似たような石を比較した一例ですので、なかには瀬田川石より緻密で硬い庄内川石が存在する可能性は否定できません。ただ、実際に庄内川で探石したところ、なかなかそういった石が見つからない状況です。
瀬田川石 - 梨地
こちらは瀬田川石の梨地です。 形は姿石または抽象石で、空を見上げる鵜のように見えます。
こちらの石も、緻密で硬く、爪で弾くとキンキンと清音を発します。
続いて石肌の拡大写真です。 ポツポツと凹んでおり、梨地の様相を呈しています。
別の側面の写真です。
よく見ると黒い粒々が抜けておらず、逆に出っ張ています。 菫青石が分解され仮晶となったのかと思いますが、見た目は他の部分と同じ黒いホルンフェルスのようです。
こちらの粒々が抜けていない状態の方が、梨の肌により近い気もします。