佐渡錦紅石-I, Sado Kinkou Seki
佐渡錦紅石
佐渡錦紅石(さどきんこうせき)。水石や美石を紹介する書籍の表紙を飾るなど、ある種特別感のある美石である。
佐渡島北東の岩谷口(いわやぐち)から産出されたため、岩谷口五色や五色メノウとも呼ばれる。 美石の王といっても過言でない扱いをされることから、あえてここで紹介するのもおこがましいが、私なりの解釈を記したい。
佐渡錦紅石は、もともと産出量が少なかった上に、佐渡一周線の道路整備により昭和40年代はじめ頃には採掘できなくなったため希少性が高い。
錦紅石の魅力は、何より複雑な色の混ざり具合にある。
絵の具の様々な色が混ざり、溶け合い、やがて色の差がなくなっていく刹那を切り取ったかのような色合いが独特であり、このような石は世界を見渡してもまずお目にかかることがない。 さらに色のバリエーションが豊富で、桃色~深紅まで幅広い赤、黒、白、灰色、茶色などが複雑に絡み合う。
次いで石質の良さも素晴らしい。 五色メノウと呼ばれるように、茶色、灰色~白色の箇所は透明感があり、実際に光を透過する。
この点、不透明のジャスパーの部分と、メノウの箇所が複雑に入り組むことになるが、これが錦紅石の美しさを引き立たせることになる。
なお、石灰化した箇所は光を透過しないが、そういった箇所は予め取り除かれていることが多い。
佐渡錦紅石
前面中央の深紅に近い赤色と、左右の流れるような黒、白、茶色の色の混ざり具合が美しい。白い陥没した箇所には球状の結晶(球顆)がみられる。キラキラと極細の輝きがありメノウ質であることがわかる。光も透過する。 赤色の箇所もよくみると、色の違ったタイル状の模様が複雑に入り組んでいる。
右下辺りの黒~茶色を中心とした色調の箇所、上よりの白を中心とした箇所、左側の様々な赤色を中心とした色の混ざり合いが美しい。
錦紅石の特徴でもある、絵の具の様々な色が混ざり、溶け合い、やがて色の差がなくなっていく刹那を切り取ったかのような色合い。
陥没した箇所の球顆も含め、一見混沌としているが、見れば見るほど違った世界を見ることができ飽きることがない。 絵画を鑑賞しているかのようである。



